校長室日誌

2018年4月の記事一覧

美人を形容することば

 多くの花の咲く季節となりました。美しい女性を花に例えて表現することがあります。中でも有名なのは、「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」という言葉です。なぜ、この花が選ばれたのでしょうか? 芍薬は、すらりと伸びた茎の先端に美しい花を咲かせます。その香りもたおやかなので、姿も香りも、まさにすらっとした美しい女性そのものといえます。フランスでは、しなやかでさわやかな香りのするワインを「芍薬のような香り」というそうです。

 
 牡丹も芍薬も同じボタン科なので、花自体はよく似ていますが、芍薬は花で牡丹は木です。その違いから、牡丹は枝分かれした横向きの枝に花をつけるため、まるで座っているかのように見え、鑑賞するときも座って鑑賞したほうがきれいに見えるのです。中国では花の王と呼ばれ、華やかさの象徴とされています。

 
 百合は、しなやかな茎の先にややうつむき加減に花が咲くので、風を受けて揺れる様子を女性が優美に歩く姿に例えています。その甘い香りは香水としても人気があります。
  
 さらにこの3つの花はリレーするかのように順番に咲いていきます。牡丹は4月末から5月の初め、芍薬が5月中旬から6月末、そして百合が6月から8月。それは座っていた美人が、すっと立ち上がり、歩き出すという流れそのものです。容姿だけでなく、立ち居振舞いも美しい、そんな美人を表しているようです。

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春の風習

 暖かく、気持ちの良い日が続くようになりました(昨日、一昨日は暑かったですが・・・)。日本では、古来より農業や漁業が繁忙期を迎える前の春の1日に、山遊び、野遊び、磯遊びといって、野山や海辺にごちそうを持って遊びに出かける習慣がありました。その日は物忌みの日とされ、働くことは禁じられていたそうです。今の土日に当たりますか。山にも海にも、祖先の霊が姿を変えた神様が住んでおり、野山や海辺に足を運んで飲んだり、食べたりの宴を開くことは、豊かな恵みを与えてくれる山の神や海の神に感謝を捧げ、神様と人がともに食事をすることにつながっていたようです。人々は野山では山菜や花を、海辺では貝や海藻を取って楽しむとともに、豊作、大漁を祈願しました。花見も、桜の木に宿る田の神様に豊作を祈願することから始まり、多くの人々に花見が現在のように広まったのは、江戸時代の8代将軍徳川吉宗の時代からでした。桜は散りましたが、他の花木がこれに続いて成長し、爽やかな季節が続きます。

 
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穀雨(こくう)

 穀物を育てるあめを意味する節気。新暦4月20日頃になります。この時期は、前年の秋に蒔いた麦の成長を促す春の雨が降り、清明のころに蒔いた籾が稲に育っていく頃で、農耕にかかわる人々にとっ手恵みの雨となります。この時期に長引く雨を菜種梅雨(なたねづゆ)と言います。穀雨の終わりごろに八十八夜があります。今日の予報は熊谷で27°と暑くなりそうなので、水分を適宜とって熱中症予防をしてください。

 

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日本人の感性

 今も昔も日本人は季節に寄り添いながら暮らしています。ほかにも四季のある国はたくさんありますが、緯度や経度によって状況は異なるため、四季折々の情景や季節感は、日本の風土によって生まれたものです。では、日本人の季節感が称賛されることが多いのはなぜでしょう? それは、日本人の繊細な感覚により、四季折々に豊かな文化を生み出しているからかもしれません。私たちは、暑い、寒いといった皮膚感覚にとどまらず、花鳥風月をめでるなど季節の風情を大切にしています。幼いころから自然に親しみ、季節を愉しむすべを会得しているのです。桜が咲くと春が来た喜びを感じ、祭りばやしに心躍らせ、旬の味覚に舌鼓を打つ。夏の日差しにじりじりと焼かれ、冬の寒さに襟を立てる。なにげなく、五感で感じているものが、実は季節であり、歳時記のひとつなのです。季節とともにめぐる歳時記は、今も昔も暮らしを豊かにするツール。歳時記のもとになる暦は、この季節の移り変わりの目安として編み出されたものです。暦の中に二十四節気や雑節といった季節の目安が設けられ、季節感を共有しているのも大きなポイントで、節分や立春といったお馴染みのものごとも、季節と暦の関係からきています。
 暦を知ることで季節の巡りがよくわかります。自分が育つ環境を知ることは大切です。

 
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春眠(しゅんみん)

 心地よさで、つい寝過ごしてしまいがちな春ですが、遅刻などはしていませんよね? 今から1300年前の中国の詩人、孟浩然(もうこうねん)は有名な次の歌を詠んでいます。
春眠不覺曉(春の眠りは心地よく、うっかり寝過ごし、夜明けに気付かない。)
處處聞啼鳥(目覚めてみると、ところどころで鳥がさえずっていて天気が良さそうだ。)
夜来風雨聲(そういえば、昨夜は風雨の吹き荒れる音がした。)
花落知多少(せっかくの花がどれほど落ちたことか。) 
 春ならば、日中のうたた寝を戒められても、この一節を唱えてやり過ごせそうな気がしますが、授業中の居眠りに注意してください。

 
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