令和4年度2学期始業式 校長講話
9月1日(木)に2学期の始業式を行いました。校長講話の概要は、次のとおりです。
2学期の始業式に当たり、2点お話しします。
1点目は、新型コロナウイルス感染症の対策についてです。埼玉県では、現在コロナウイルス変異株で主流となっているBA.5について、9月30日までを「対策強化宣言」期間としています。夏季休業後の学校においては、陽性者発生時の初期対応を徹底し、教育活動を実施することとされました。2学期は、文化祭、2年生の修学旅行などの行事が行われます。3年生は、進路を決定する就職試験や入学試験を控えています。普段の授業も含め、万全の体調で臨んでもらいたいと思います。
2点目は、スキージャンプ競技の葛西紀明選手の講演を聞いてです。8月に、スキージャンプ競技の葛西選手の講演を聞く機会がありました。その中で、印象に残ったことをお伝えしたいと思います。葛西選手は、現在50歳ですが、現役選手として活躍しています。16歳で日本代表に選ばれて以降、過去8回オリンピックに出場し、銀メダル1個と銅メダル1個を獲得しています。スキージャンパーとして30年以上の競技生活をおくっていることから「レジェンド」と呼ばれ、国内のみならず海外や他の競技の選手からも尊敬されています。出身が北海道ということで、幼いころから冬はスキーを楽しんでいたそうです。地元のスキー場にジャンプ台があり、小学校3年生の時、友人に誘われてそこで初めて飛んだことが、スキージャンプとの出会いだったとのことです。初めてのジャンプでは、当然着地では転倒したものの、飛んでいるときの時に爽快感があり、それが競技を始めるきっかけになったとのことでした。その後、スキージャンプ競技をやりたいと家族に相談した際には、経済的理由から反対されたとのことでしたが、学校の先輩でおさがりの競技用具を譲ってくださった方がいたことで、競技を始めることができたとのことでした。スキージャンプを始めてから目標にしていたことは、優勝して家族に家を買ってあげることだったということです。高校卒業後に入社した実業団チームにおいてもキャリアを積み、世界で活躍する超一流選手になりました。一方で、妹さんは難病を抱えて入院、母親は火事で全身の70%及び喉などの呼吸器官にやけどを負い、それが原因で1年間の闘病生活ののち亡くなるという不幸に見舞われました。葛西選手は、今でも闘病中だった母親からもらった手紙を持って競技に臨んでおり、この手紙に支えられていると言っていました。講演では、競技の第一線で活躍し続けるための練習内容や体調管理の方法、海外生活でのエピソード、競技に向かう心構えなど、競技生活の裏側についても話してくださいました。葛西選手の話を聞いて思ったことは、まず、出会いの大切さです。小学校時代にジャンプ台に誘ってくれた友達、スキージャンプ競技のウエアや板を譲ってくれた先輩をはじめ、コーチやチームメイトなどがいなかったら、今の葛西選手はいなかったかもしれません。次に思ったことは、競技に向かう強靭な精神力です。家族のために家を買ってあげたいという明確な目標。怪我や不調があっても明るく前向きに競技に向かい、どん欲に勝利を狙う姿勢。そして、家族や仲間など、自分の夢を後押ししてくれる方々を大切にする人間性です。50歳を超えてもなお競技を続けて、次回のオリンピック出場を目指すという力強い言葉に、目標を持って挑戦し続けることの大切さを学びました。葛西選手の話は以上です。
では、2学期も皆さんが、授業、学校行事、部活動に一生懸命取り組んでくれることを期待しています。