平成29年度~校長室

朝顔市

 朝顔市は、ほおずき市と並ぶ夏の風物詩です。朝顔市の朝顔は、青やピンクなど3~4色の大輪の花が一鉢に咲くように寄植えされた「あんどん仕立て」が主流です。「今日の朝顔は何色?」と夏の早起きは朝顔チェックで決まりですね! 朝顔はヒルガオ科のつる草で、支柱となるものに巻きつきながら成長していきます。巻き付く向きはなぜか左巻き。そして、朝顔は日没から10時間後に咲く、体内時計を持っています。それで、早朝に花を開き、日が出るとしぼんでしまうのです。似たような名前の花に昼顔、夕顔がありますが、昼顔はその名の通り昼に咲き、夕方しぼみます。夕顔はウリ科のつる草で、その実からかんぴょうが作られます。朝顔の原産地は中国で、奈良時代に遣唐使によって日本に伝来したといわれています。当時は朝顔の種は「牽牛子」(けんごし)といって、下剤や利尿作用がある漢方薬として珍重されていました。朝顔の花が鑑賞用として栽培されるようになったのは江戸時代になってからの事です。朝顔市で有名な入谷(東京都台東区)は、入谷田圃の土が良かったことと、腕の良い植木屋が多く住んでいたことから、朝顔の名所として有名になりました。朝顔市の代名詞ともなっている入谷の鬼子母神の朝顔市は、明治初期からの歴史があります。世情の悪化から大正時代に一度姿を消しますが、戦後の昭和23年に江戸情緒豊かな夏の風物詩として再開されました。朝顔の中国名「牽牛花」(けんぎゅうか)にちなみ、牽牛といえば七夕伝説に出てくるあの牽牛、ということで七夕を挟んで3日間開催されます。東京・入谷の朝顔市は、入谷鬼子母神を中心に言問通り沿いに市が立ち、毎年40万人もの人で賑わいます。朝顔は早朝に咲く花。朝顔市も朝5時スタートです。色よく咲いている花を品定めするには、やはり早起きして出かけたほうが良いですね。