校長室日誌

月うさぎの話

 何気なく見上げた夜空。輝く月......ただ、それを眺めているだけで心が和んできます。でも、そんな時ふっと思い浮かぶのが「月うさぎ」。月でお餅をついているという、あの月うさぎです。でも「月うさぎ」ってどれ? なぜ月にうさぎがいるのでしょう? 月の模様の黒い部分は「海」と呼ばれる低地。その黒い部分で「餅をついているうさぎ」の姿を見立てます。こうして見ると...確かに月うさぎはお餅をついています。意外と知らない月うさぎ伝説。月うさぎ伝説にも諸説ありますが、一般的に言われているのは次のようなお話です。『昔、あるところにうさぎときつねとさるがおりました。ある日、疲れ果てて食べ物を乞う老人に出会い、3匹は老人のために食べ物を集めます。さるは木の実を、きつねは魚をとってきましたが、うさぎは一生懸命頑張っても、何も持ってくることができませんでした。そこで悩んだうさぎは、「私を食べてください」といって火の中に飛び込み、自分の身を老人に捧げたのです。実は、その老人とは、3匹の行いを試そうとした帝釈天(タイシャクテン)という神様。帝釈天は、そんなうさぎを哀れみ、月の中に甦らせて、皆の手本にしたのです。』これは、仏教説話からきているお話です。また、このお話には続きがあり、『うさぎを憐れんだ老人が、その焼けた皮を剥いで月に映し、皮を剥がれたうさぎは生き返る』という説もあります。だから、月の白い部分ではなく、黒い部分がうさぎなのです。では、なぜ餅をついているのでしょうか?「うさぎが老人のために餅つきをしている」とか「うさぎが食べ物に困らないように」という説がありますが、中秋の名月が豊穣祝いであることを考えると、たくさんのお米がとれたことに感謝する意が込められているようです。