シクラメン
この冬の時期、目を楽しませてくれる花の1つにシクラメンがあります。シクラメンは日本で最も生産されている鉢植え植物です。元々は地中海沿岸、ギリシャからチュニジアにかけて原種が自生し、古来は花ではなく、塊茎の澱粉を注目され、食用とされていました。しかし、大航海時代以後新大陸からジャガイモがもたらされると、シクラメンを食用にする習慣はなくなっっていきました。 日本には明治時代に伝わりました。戦後急速に普及し、品種改良も進められ、花色も黄色や二色、フリンジ咲き、八重咲きなどが登場しました。日本における鉢植え植物では生産量はトップクラスで、冬の鉢植えの代表格として定着しています。 従来、鉢で育てる室内観賞用のシクラメンが一般的でしたが、原種との交雑により、1996年に埼玉県児玉郡児玉町(現本庄市)の田島嶽が屋外に植栽可能な耐寒性のあるミニシクラメンの系統を選抜し、「ガーデンシクラメン」として売り出しました。この「ガーデンシクラメン」はガーデニングブームの波に乗り流行し、全国で生産が始まり、瞬く間に普及しています。