平成29年度~校長室

なす(茄子)

 夏は、なす(茄子)、きゅうり、トマトなど実のなる野菜の季節。これらは一年中出回っていますが、本来は夏から秋が旬です。水分も多く、からだを冷やす作用があって暑い時期にピッタリ。夏野菜の主役のひとつともいえるなすと日本人との係わりは深く、種類も豊富で、様々な料理で食べられてきました。なすは、インドが原産とされる茄子科の一年草で、日本には奈良時代に入ってきたと言われています。その後、日本の気候風土になじみながら、各地にさまざまな種類が生まれました。一般によく出回っているのは、卵型の「千両茄子」や少し細長い「長茄子」。揚げ田楽がおいしい大きな「米茄子」や、小さくて漬物などにぴったりの「小茄子」もあります。伝統野菜や特産となっているなすも多く、丸なすの代表格「賀茂茄子」や、生でも食べられる水分たっぷりの「泉州水茄子」などがよく知られています。なすは英語で"Eggplant"(エッグ・プラント:たまご植物)といいますが、もともと原産地周辺の東南アジアなどでは白や緑色のものが一般的で、白い卵に似ていたためでしょう。日本で茄子の色は一般に「茄子紺」と呼ばれる紫色をしていますが、青茄子、白茄子も各地で栽培されていますし、イタリアなどヨーロッパからの輸入品種もあります。なすは、栄養的には特筆すべきものはありませんが、茄子紺の色はナスニンと呼ばれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化力があります。水分が多く、体を冷やす作用があるので暑い時期にはぴったりです。「秋なすは嫁に食わすな」ということばがありますが、解釈には諸説あります。おいしい秋茄子を憎い嫁に食べさせるのはもったいないという意地悪な説の他に、からだが冷えるので特に妊娠中の嫁には食べさせないほうが良いからという説もあります。また、嫁は夜目=ねずみのことで、ねずみに食べられるなという意味だとする説もあります。なすは煮る、焼く、炒める、揚げる、蒸す、漬けるなど、どんな調理法でも美味しくできます。味がつけやすく、特に油との相性が良いのが特徴です。なすそのものの美味しさを味わうなら「焼き茄子」がピッタリ。まるごと蒸し焼きにすることでなすの甘みやうまみ、とろみが引き出されます。煮ものにすれば、だしや調味料をよく吸っておいしくなり、揚げものにすると油との相性が抜群でコクが生まれます。煮ものにする前にさっと素揚げにするのもおいしくするテクニック。漬物にしてもおいしい保存食になります。