平成29年度~校長室

美人を形容することば

 多くの花の咲く季節となりました。美しい女性を花に例えて表現することがあります。中でも有名なのは、「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」という言葉です。なぜ、この花が選ばれたのでしょうか? 芍薬は、すらりと伸びた茎の先端に美しい花を咲かせます。その香りもたおやかなので、姿も香りも、まさにすらっとした美しい女性そのものといえます。フランスでは、しなやかでさわやかな香りのするワインを「芍薬のような香り」というそうです。

 
 牡丹も芍薬も同じボタン科なので、花自体はよく似ていますが、芍薬は花で牡丹は木です。その違いから、牡丹は枝分かれした横向きの枝に花をつけるため、まるで座っているかのように見え、鑑賞するときも座って鑑賞したほうがきれいに見えるのです。中国では花の王と呼ばれ、華やかさの象徴とされています。

 
 百合は、しなやかな茎の先にややうつむき加減に花が咲くので、風を受けて揺れる様子を女性が優美に歩く姿に例えています。その甘い香りは香水としても人気があります。
  
 さらにこの3つの花はリレーするかのように順番に咲いていきます。牡丹は4月末から5月の初め、芍薬が5月中旬から6月末、そして百合が6月から8月。それは座っていた美人が、すっと立ち上がり、歩き出すという流れそのものです。容姿だけでなく、立ち居振舞いも美しい、そんな美人を表しているようです。