ほおずき
ほおずき(鬼灯) はナス科の多年草で、日本では平安時代から薬として利用されてきました。東南アジアが原産とされていますが、その自生地ははっきりしていません。淡い黄色の花を6月から7月ころ咲かせます。この開花時期にあわせて、日本各地で「ほおずき市」が開催されます。日本の仏教習俗であるお盆では、ガクに包まれたほおずきの果実を死者の霊を導く提灯に見立て、枝付きで精霊棚(盆棚)に飾ります。古くは薬草として利用され、子供の夜泣きやひきつけ、大人のお腹や胸の痛みを和らげる効能があるとされていました。中国では、根が「酸漿(サンショウ)」という生薬名で知られ、漢方医学では咳止めや解熱、利尿の薬として熱や黄疸の時に用いられます。毎年7月9日、7月10日に東京都台東区浅草の浅草寺でほおずき市が催されています。約200年前の明和年間に始まったと言われています。ほおずき市といえば浅草寺、と言われるほど有名なほおずき市。7月10日に参拝すると、なんと四万六千日も毎日お参りしたのと同じだけのご利益があると言われています。ほおずき市としては全国でも最大規模で、毎年全国からも多くの人たちが訪れて、大変な賑わいになります。境内にはたくさんのほおずきを売る店、そして風鈴の涼やかな音色が響き、いかにも浅草といった江戸の下町の風情を感じることが出来ます。