大掃除
早いもので、今年も残すところあと14日。家でも学校でも年末の大掃除の時期がやってきます。大掃除といえば、新年も間近にせまる頃に1年間たまった汚れを一掃し、新年をすがすがしい気持ちで迎えるためにおこなう習慣だと、現在ではとらえられていますが、江戸時代には「煤払い(すすはらい)」という名で12月13日におこなわれる一大行事でした。徳川幕府は12月13日を「江戸城煤払い」と定め、江戸城では新年に年神様を迎えるために、現在の大掃除に当たる煤払いがおこなわれるようになりました。庶民も幕府にならって煤払いに精を出すようになりました。年の瀬におこなう大掃除には、元々正月に1年の幸福と健康をもたらす年神様をお迎えするために、前年の煤や塵を払って家や心を清めておくという意味があります。元々、正月に年神様を迎える準備を始めるのは、その年の農作業が終わる12月8日の「事納め」からでしたが、江戸時代になると婚礼以外は万事が吉日とされた鬼宿日に当たる12月13日が「正月事始め」の日とされました。1年のけがれを払い、家や城のすみずみまできれいにすると、正月に年神様がたくさんの御利益を授けてくれると考えられていたので、煤払いは年の瀬のお祭りを思わせる盛大な行事だったようです。身の回りがきれいになると気持ちいいですよね。