校長日誌

高校生を取り巻く現状 「現実関係 希薄化」に警鐘 木原雅子準教授

 全国高P連の報告の第二弾です。京都大学大学院医学研究科の木原雅子準教授が「青少年の健全育成に関わる研究発表」というテーマで講演をし、それに続いてシンポジウムを行いました。

 

 この発表は、全校9地区からそれぞれ5校(普通科校3、専門または総合校2)を選び、合計45校の高校2年生約7200人にアンケートを実施し、6585人(男子3258人、女子3327人から回答を得て、そのデータを分析した結果に基づいて行われました。ショッキングな内容でした。

 

気になる結果

 ○スマートフォンに関して

 ・女子の15%が1日に5時間以上スマホを使用。

 ・母親との関係に満足していない生徒のスマホ依存は9倍。

 ・親との会話が少ない生徒のスマホ依存は3~4倍。

 ・スマホにはまるほど学力は低下する(2倍)。

 

○学力や自尊心(自己肯定感)に関して

 ・先生が頑張りに気づいてくれないほど学力が低下(3倍)。

 ・親との会話が少ないほど自己肯定感(自尊心)が低下(3~6倍)。

 ・自尊心が低い、将来への意欲がないほど学力が低下。

 

 ○マスクの着用に関して

 ・女子の4割以上が、マスクを健康目的以外で使用。

 

 ●マスク着用の理由は?

   ◇安心するから。       ◇表情を見せたくないから。

   ◇みんなが使っているから。  ◇印象を薄くするため。

   ◇自分の存在を消したいから。 

  → マスク使用の方が

   ・自尊心が低い    ・鬱(うつ)傾向が高い 

 

木原雅子準教授の言葉を借りると、

 スマホの普及が子供に及ぼす影響としては、

「バーチャルな人間関係だけが肥大化して、本来土台となる現実の人間関係は希薄化して、危険な状態だ」と指摘していました。

 

また、「『デジタル認知症』という言葉があるが、スマホの使いすぎにより若年性認知症になる可能性がある。つまり、スマホがあれば、電話番号、地図を覚える必要もなく、物を書くことも減り、手を動かさなくなれば脳は退化する」と怖い話をしていました。

 

 大切なのは、この「危機感」をきっかけとすること。そして、「スマホの使用時間など子供の自発的なルールづくりにつなげられるとよい。押しつけだけだと、子供は反発するので」と説明していました。

 

 学力や自尊心を向上させるための対策として、「保護者に求めたいこととしては、子供の声に耳を傾け、見守り、親子の信頼関係を築くこと。それが自尊心の向上につながる」と。

 

木原雅子準教授は、

  高校生を取り巻く環境に関しては、ネット上で人間関係がつくられ、家庭内での日常会話の不足から始まる「現実の人間関係の希薄化」に警鐘を鳴らすと同時に、大人による適切な環境づくりや大人自身の意識改革が必要とのことでした。

 

 つまり、大人の本気度が問われているのだとまとめていました。