平成29年度~校長室

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秋祭り

 秋はお祭りシーズン。今日も各地で秋祭りが開催されていることと思います。秋祭りには、浴衣を着て出かける夏の祭りとはひと味違う楽しみがあります。でも、よく考えてみるとどうして秋に祭りをするのでしょう? 「まつり」という言葉は「まつる(祀る)」の名詞形で、感謝、祈り、慰霊のために神、仏、祖先をまつる行為をいいます。「祭」という漢字は、切った肉の象形である「月」と、手の象形である「又」、祭壇の象形である「示」からできており、いけにえの肉を祭壇にまつる様子を表しています。つまり、本来「祭り」というのは祭祀なのです。日本にはたくさんの祭りがありますが、昔から続いている祭りは祭祀の性格をもっており、感謝・祈り・鎮魂など、日本人が生きていく上での思いが表れています。しかし、近年は祭祀の性格をもたないイベントや町おこしなどの要素が強い賑やかな行事も「祭り」と呼ぶようになりました。日本の祭りを語る上で欠かせないのが、農耕です。農耕を主としてきた日本では、春に種を撒き、夏に育て、秋に収穫をして、冬は籠る(こもる)という生活を繰り返してきました。こうした営みが祭りに反映されているので、春夏秋冬で祭りの性格が異なります。秋祭りには収穫に感謝する意味があります。豊作祈願の春の祭りと対になる関係で、御田植祭に対する「新嘗祭」が、伊勢神宮を筆頭に各地で行われています。農村部では田の神に感謝し送り出す祭りがみられます。神も人と一緒に祭りを楽しむと考えられたため、神をもてなすために音楽や踊りを披露するようになり、神楽や田楽などが生まれました。伝統的な日本の祭りは、大変奥が深いもの。それぞれの祭りの意味や由来を知ることで、楽しみ方も深まります。また、祭りには文化を伝承したり、地域社会で「横の絆」を結び、暮らしの基盤を整えたりする役割があるので、「行事育」の観点でも見逃せません。
 
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