校長室日誌

平成29年度~校長室

3月の風景

 3月はグレゴリオ暦で年の第3の月に当たり、31日間あります。ヨーロッパ諸言語での呼び名であるmars,marzo,Marchなどはローマ神話のマルス (Mars) の月を意味するMartiusから取ったものです。古代ローマの暦(ユリウス暦より前)においては、年の最初の月は現在の3月にあたります。閏年の日数調整を2月に行うのは、当時の暦での最後の月に日数調整を行っていたことの名残です。日本では、旧暦3月を弥生(やよい)と呼び、現在でも新暦3月の別名としても用います。弥生の由来は、草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったという説が有力です。他に、花月(かげつ)、嘉月(かげつ)、花見月 (はなみづき)、夢見月(ゆめみつき)、桜月(さくらづき)、暮春(ぼしゅん)等の別名もありますが、いずれも植物の成長や季節感の豊かな言葉で表現されています。3月は日本では年度替り(主に会計年度や学年)の時期として有名です。月を通して卒業式や送別会が行われ、出会いと別れの時期でもあります。また、春休みに該当する当月末には人事異動が行われたり、多くの学校・会社・官公庁などが引越しや移行作業、新生活の準備などで忙しくなります。また、だんだん暖かくなりますが、毎日の温度変化も大きい時期です。体調に気をつけて、春を迎える準備にかかりましょう。

 

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蕗の薹(ふきのとう)

 蕗(ふき)は古くから日本人に親しまれてきた野草で、土手や水辺に自生します。茎を食べることが多い蕗ですが、春に咲く蕗のつぼみが「蕗の薹」で、早春を代表する山菜です。春の山菜には独特の苦みがありますが、実はこの苦みやえぐみがからだにはとても良いもの。山菜を食べると、天然の苦味や辛味が冬の間に縮こまっていた体に刺激を与えて目覚めさせ、活動的にしてくれるといいます。「春の料理には苦味を盛れ」ということわざもあるくらいです。野生の蕗の薹を見つけるのは大変ですが、食材として店頭にも並ぶので、この時期、ぜひ味わいたいものです。開き始めたつぼみの状態で売られていることが多いのですが、花が開いてもおいしく食べられます。春の野草ならではの香りとほろ苦さがくせになる味わいです。

 

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春一番

 最近、花粉が強風で飛び、空が灰色っぽくみえることが増えました。春の近づきを感じます。さて、春先の強風の春一番は立春から春分までの間に初めて強い南風が吹いて気温が上がる現象です。日本海を強い低気圧が通過するときに生じ、気象庁で発生を発表しています。観測後に同じような風が吹くと、春二番、春三番・・・と呼びます。実は春一番は、災害発生のリスクを伴っています。春一番が吹くと気温が上がり、ポカポカと過ごしやすい陽気になります。しかし、雪が多く残るエリアでは、気温の上昇が雪崩や融雪洪水を誘発する危険性があります。さらに、強風で海がしけて船が転覆したり、突風によって釣り人が海中へ転落するといった事故も起こりやすくなります。また、山越えの風となるエリアでは、乾燥した強い風が吹くので、火災の発生にも注意が必要です。関東地方では2月22日(土)に春一番が吹きましたが、少しずつあちらこちらで春の兆しが見えます。

 

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2月の花2 菜の花

 早春の花の第2として、菜の花を紹介します。菜の花とはアブラナ科の野菜の花のことで、菜の花はある特定の種類の野菜をさすのではなく、アブラナ(油菜)、コマツナ(小松菜)、ハクサイ(白菜)、ダイコン(大根)などのアブラナ科の花を総称して「菜の花」といいます。花の色は黄色に限らず、白や紫のものもありますが、一般的な黄色い菜の花は、アブラナやセイヨウアブラナの花をさしていることが多いようです。なお、アブラナというのは、種から「菜種油」が採れることから命名されました。食用としてスーパーなどで売られているものには、いくつかの種類があります。定番のからし和えなどに使われる、蕾(つぼみ)のついた茎と葉を15cmくらいに短く切って束ねたものは、和種の菜の花。おひたしや炒め物などによく使われる、蕾がなく茎葉の部分を長く切って袋詰めにしたものは、セイヨウアブラナの改良種だそうです。菜の花は、ゆでてからし和えやごま和えにするのが定番ですが、炒め物やスパゲッティなどにも幅広く利用できます。菜の花は蕾(つぼみ)の部分も食べますが、蕾には花を咲かせるための養分が豊富。カリウムやカルシウム、マグネシウムや鉄などのミネラルを多く含みます。また、ビタミンCや体内でビタミンAに変わるβ‐カロテンも豊富な栄養価の優れた野菜です。春になると、鮮やかな黄色い花を咲かせる菜の花。一面に広がる菜の花畑は黄色いじゅうたんのようで、とてもきれいですね。菜の花は見るだけでなく、食べてもほろ苦い春の味がします。野菜嫌いな人もいますが、是非食べてみてください。

 

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2月の花1 梅

 暖かな日が幾日かあり、梅の満開のニュースが届くようになりました。先日、梅見月として梅のことを紹介しましたが、改めて梅を調べてみました。梅は落葉性広葉樹で、細い枝が多く、花びらはよい香りがします。分類ではバラ科の植物で、バラ科サクラ亜科サクラ属スモモ亜属に属します。白梅が咲く木と、紅梅が咲く木は別ですが、中には1本の木に赤と白の花をつける「思いのまま」という珍しい木もあります。また、黄色い花をつける「蝋梅(ろうばい)」という種類もあります。日本で花見といえば桜ですが、かつて奈良時代には中国から伝来したばかりの梅が貴族たちに鑑賞されていました。平安時代になって桜に花見の中心に代わってきました。梅の花言葉には「高潔」、「忠実」、「気品」、「厳しい美しさ」、「あでやかさ」などがあり、冷たい空気の中早々に凛と咲く梅の姿を表わすようです。梅は春一番に咲き始め、「ウグイス」は春の訪れ告げる「春告鳥」ともいわれて、共に親しまれました。「梅にウグイス」のことばの意味は「取り合わせがよい2つのもの、美しく調和するもの」。実際によく梅の木にやってくる鳥はメジロだそうで、「梅にウグイス」は日本人の早春の理想のイメージなのです。学問の神様、菅原道真公を祀る東京の湯島天神は、江戸時代から梅の名所として親しまれてきました。約300本の梅の木があり、「湯島の白梅」として有名です。今年の梅祭りは2月8日から3月8日までで、期間中は野点や天神太鼓、奉納演芸なども開催され、新春の東京の年中行事として賑わっています。学問の神様ということで受験生の参拝も多く、毎年境内は可憐な白梅と合格祈願の絵馬でいっぱいになります。一方で、家の周りにも梅の咲いているところがあるのでは? 少し早い春を探しに行ってみてはいかがでしょう。

 

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