校長室日誌

平成29年度~校長室

御礼

 3年にわたり校長室及び日誌を御愛読いただき、ありがとうございました。今年は新型コロナウイルス感染症対応のため、どこの家庭、学校、企業等においても初めての、先の見えない対応を余儀なくされているところですが、いづれ新型コロナウイルス感染症に対する効果的な薬や消毒薬ができ、下火になっていくことを祈念しています。生徒には「人間万事塞翁が馬」という格言を用いて、人生にはいい時もあれば悪い時もあり、現状に満足せず前向きに頑張っていこうという話をよくしましたが、今もその時かなと思います。校庭の桜も盛りを過ぎましたが、青々とした若葉を見せ、春本番を感じさせます。季節は順次巡ってきますが(最近は少し季節のサイクルが変わってきていますが・・・)、社会の動きは先が見えず、不透明な状況です。是非、先を予測して自分が何をすればいいのかを考え、よい人生を送ってください。

 

 

 

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イースター(復活祭)

 春分の日以降、最初の満月の次の日曜日がイースターです。今年は4月12日が日本でのイースターに当たります。イースターは日本ではあまり馴染みがあるものではありませんが、キリスト教では大切な復活祭の日です。Easter(復活祭)は、イエス=キリストの復活を祝うキリスト教の最も重要な祭日です。復活祭は春の自然の蘇りを祝う日でもあります。シンボルは多産のうさぎ「イースターバニー」と生命のはじまりを意味する「卵」です。"Easter"の語源はアングロ・サクソンの朝日の女神にちなむと言われており、その女神の祭りは春分の日に行われていました。また"Easter"は東や日の出との意味もあります。325年以来、復活祭は春分の後の最初の満月のすぐ後の日曜日に祝われています。イースターは毎年、日にちが違います。その計算方法はまず、春分を計算の基点にし、その春分の後の最初の満月を探し、そしてその満月の後の最初の日曜日が復活祭となるのです。イースターは家族が集いご馳走を食べます。子供にとって最も楽しいのは卵狩り(エッグハント)と卵ころがし(エッグ ロール)です。子ども達は競って隠された美しく染められたゆで卵を探したり、殻を割らずに坂の上からころがしたりして遊びます。アメリカのイースターのパレードで最も有名なのはニューヨーク市のパレードで、テレビで全米に放映されます。奇抜な服装や最新のファッションが見ものです。

 

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桜餅

 桜の季節になるとぜひ食べたくなるのが桜餅。春を感じさせる、とても風流な和菓子です。
桜餅には、大きく分けて関東風の「長命寺」と、関西風の「道明寺」の2種類があります。どちらも「桜餅」と呼ばれていますが、区別するときには「長命寺」「道明寺」と呼んでいます。長命寺は小麦粉などの生地を焼いた皮で餡を巻いた、クレープ状のお餅です。享保2年(1717年)、隅田川沿いにある長命寺の門番・山本新六が、桜の落葉掃除に悩まされ、ふと思いついて桜の葉を塩漬けにして、薄い皮に餡を包んだものに巻いて売り出したところ、これが江戸で大ヒット。「長命寺」または「長命寺餅」と呼ばれ、関東ではこちらのタイプの桜餅が主流です。一方、道明寺は道明寺粉で皮を作り餡を包んだ、まんじゅう状のお餅で、道明寺粉のつぶつぶした食感が特徴です。道明寺粉とは、もち米を蒸して乾燥させ粗挽きしたもの。大阪の道明寺で保存食として作られたのが起源で、道明寺粉と呼ばれています。関西ではこちらのタイプの桜餅が主流で、「道明寺」または「道明寺餅」と呼ばれています。ところで、どちらの桜餅も桜の葉の塩漬けで包まれています。この葉っぱには、やわらかくて毛が少ない「大島桜」が主に使われ、全国で使用される桜餅の葉の約7割が伊豆の松崎町で生産されています。桜の葉を塩漬けにすることでクマリンという芳香成分がうまれ、独特の風味を醸し出すのです。生の葉にはあの香りはありません。この塩漬けの葉で包むことで、桜餅に桜の香りや塩気がついて美味しくなるわけです。葉の大きさに関西と関東の好みの違いがあり、関西では小さめのもの、関東では大きめのものが好まれています。この葉を桜餅と一緒に食べるか、食べないかは意見が分かれるところ。ちなみに「長明寺」の発案者となった山本新六を初代とする「長命寺桜もち 山本や」の桜餅は、大きめの葉2~3枚で包んであり、香りが餅に移っているので、葉を外して食べるのがおすすめだそうです。桜餅にもいろいろなタイプがあるので、それぞれの好みで食べるのが一番よいようですね。桜餅は季節の和菓子というだけでなく、その成り立ちや食べ方などに日本の文化を感じます。古来から親しまれてきた味を、これからも大切にしていきたいですね。

   

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桃(モモ)

 桃(モモ)はバラ科モモ属の落葉小高木で、3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつけます。「桃の花」は春の季語です。淡い紅色であるものが多いですが、白色から濃紅色まで様々な色のものがあります。観賞用の品種(花桃)は源平桃(げんぺいもも)・枝垂れ桃(しだれもも)など。庭木として、あるいは華道で切り花として用いられます。葉は花よりやや遅れて茂り、幅5cm、長さ15cm程度の細長い形で互生し、縁は粗い鋸歯状です。湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に効くと言われています。ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を含むので換気に十分注意しなければなりません。7月から8月に実り、「桃の実」は秋の季語です。球形で縦に割れているのが特徴的で、果実は赤みがかった白色の薄い皮に包まれています。果肉は水分を多く含んで柔らかく、水分や糖分、カリウムなどを多く含んでいます。栽培中、病害虫に侵されやすい果物であるため、袋をかけて保護しなければならない手間の掛かる作物です。また、痛みやすく収穫後すぐに軟らかくなるため、賞味期間も短いです。生食する他、ジュース(ネクター)や、シロップ漬けにした缶詰も良く見られます。現在、日本の市場に多く出回っている品種は、「白桃(はくとう)」系と「白鳳(はくほう)」系の桃です。「あかつき」「暁星」「明星」「ゆうぞら」「川中島白桃」「清水白桃」「まどか」「ちよひめ」「みさかっ娘」、冬に実が熟す「名月」などの品種があります。原産地は、中国西北部の黄河上流の高山地帯で、ヨーロッパへは紀元前4世紀頃にシルクロードを通り、ペルシア経由で伝わりました。英名ピーチ(Peach)は“ペルシア”が語源で、ラテン語のpersicum malum(ペルシアの林檎)から来ています。日本では、長崎県の多良見町にある伊木力遺跡から縄文時代前期の桃核が出土しており、これが日本最古とされています。弥生時代後期には、大陸から栽培種が伝来し桃核が大型化し、各時代を通じて出土事例があります。桃は食用のほか祭祀用途にも用いられ、斎串など祭祀遺物と伴出することもあります。平安時代から鎌倉時代には珍重されていたが、当時の品種はそれほど甘くなく、主に薬用・観賞用として用いられていたとする説もあります。江戸時代にさらに広まり、『和漢三才図会』では「山城伏見、備前岡山、備後、紀州」が産地として挙げられるほか、諸藩の『産物帳』にはモモの品種数がカキ、ナシに次いで多く、特に陸奥国と尾張国に多いと記されるほど、全国で用いられるに至りました。明治時代には、甘味の強い水蜜桃系(品種名:上海水蜜桃など)が輸入され、食用として広まりました。現在、日本で食用に栽培されている品種は、この水蜜桃系を品種改良したものがほとんどです。桃は春先の温度が低い時期に雨が良く降ると縮葉病に掛かりやすく、実桃の栽培には病害虫の防除が必要です。また果実の収穫前には袋掛けを行わないと蟻やアケビコノハ等の虫や鳥の食害に合うなど、手間暇が掛かり難易度が高い果樹です。なお、“もも”の語源には諸説あり、「真実(まみ)」より転じたとする説、実の色から「燃実(もえみ)」より転じたとする説、多くの実をつけることから「百(もも)」とする説などがあります。日本国内では山梨県、福島県、長野県など降水量の少ない盆地で栽培されています。

 

 

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田打桜(たうちざくら)=こぶし

 田植えにそなえて田んぼの土を掘る田打ち作業をする頃に咲く花のことを言います。一般的には辛夷(こぶし)のことを指しますが、地域によっては糸桜、山桜などを呼ぶ地域もあります。かつてはその花々が開くのを待って、農作業の適時を計りました。関東では3月末から4月初めの頃が該当し、「田植え桜」「種まき桜」などとも言います。

 

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春の食材

 本来なら今日は終業式ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため臨時休業。一方で春は着実に広がっています。生き物の息吹が目のあたりに感じられるようになる春には、さまざまな食材が目や舌を春の訪れを感じさせてくれます。いくつか紹介します。
◆ 蕗の薹(ふきのとう)  
 まだほころぶ前の冷たい土から春を告げる山菜。春の息吹を感じさせる独特の味と香で、あくも強く苦いです。ふきのとうは春の山菜の代表格。つぼみの状態で採取され、天ぷらや煮物・味噌汁・ふきのとう味噌に調理して食べます。一般的には花が咲いた状態のふきのとうを食べる事は避けますが、細かく刻んで油味噌に絡める「ふきのとう味噌」などには利用可能。伸びたフキノトウも葉や花を取り除き、茎の部分を軽く灰汁抜きしたものを肉や刻んだ油揚げ、糸コンニャクなどと一緒に煮付けても美味しいです。
◆ 筍(たけのこ)   
 春の訪れを実感させる味覚の一つ。モウソウチク(孟宗竹)、ハチク(淡竹)、マダケ(真竹)、ネマガリダケ(根曲竹)と種類も多く、京阪神周辺では、京都府向日市・長岡京市や大山崎町が有名ですが、大阪市内の高級料亭では大阪府貝塚市木積(こつみ)地区生産のものも珍重されています。 また日本では、収穫事業が「竹の子掘り」と称して季節の観光行事としても親しまれています。
◆ 若布(わかめ)
 古くから日本人に馴染み深い海藻の一つ。「産後の肥立ちにはワカメの味噌汁がいい」とか「若返りの薬」といわれるほど、ワカメには豊富な栄養素が含まれています。ワカメは味噌汁などの汁物の具としてよく使われます。他にも酢の物、炒め物、サラダ、地域によっては天ぷら等幅広く料理されます。旨み成分を多く含み、また低カロリーであることから、ダイエット食品としても適しています。 ワカメに多く含まれる栄養素は、食物繊維、アルギン酸、フコイダンなどで、血中コレステロール値を下げたり、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐなどの効果があると言われています。
◆ 蛤(はまぐり)
 神話や昔話に数多く登場する蛤は、遺跡からも多く出土するなど、昔からよく食されていた貝です。源氏物語にも出貝合わせてくる「貝合わせ」、ひな祭りのお供えなど日本人の生活に根ざしていた食べ物です。ハマグリは元々の組合せ以外の貝殻とはぴったりかみ合いません。そこで、結婚式でハマグリの吸い物が出されることも多く、『よい伴侶にめぐり合えるように』との願掛けからひな祭りにハマグリを食べる風習があります。
◆ 蓬(よもぎ)   
 春の野草の一つで、特有の香りがあり、春につんだ新芽を茹で、おひたしや汁物の具、また草餅にして食べます。また、天ぷらにして食べることもできます。灸に使うもぐさ(艾)は、葉を乾燥させ、裏側の綿毛を採取したものです。葉は、艾葉(がいよう)という生薬で止血作用があります。若い芽や、育ち始めた若い株は、干しておいたのちに煎じて飲むと、健胃、腹痛、下痢、貧血、冷え性などに効果があります。また、もう少し育ったものはこれも干しておき、風呂に入れると良いです。腰痛を始め、痔にとても良いです。

  

 

  

 

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春告げ魚

 もう〝春〟といってもいい陽気になりました。陽気がよくなるとどこかへ出かけたくなる。出かけると美味しいものを食べたくなる。人の習性でしょうか? 食は健康の基本。中でも“今が旬”と呼ばれる食べ物には夏なら体を冷やし、冬なら温めるといったように、人間の体にうまく働きかけてくれるものがたくさんあります。また“旬”の食材を使うと、おいしさも格別ですし、栄養価も高くなります。最近では、ハウス栽培や養殖などにより1年を通じて店頭に並ぶ食材が増えましたが、本来の収穫時季にとれたものを食べるのは、体調を整えるためにも大切なこと。食べ物の“旬”を覚えて、健康づくりに役立ててください。日本各地には「春告げ魚」と呼ばれる魚たちがいます。たとえば、春の季語にもなっている「鰆(さわら)」。「魚」偏に「春」と書くように、瀬戸内海を中心に春に旬を迎え、春の訪れを知らせる魚です。瀬戸内海には、春になると産卵のために「鰆」がたくさんやってきます。その字のように春の訪れを告げる春告げ魚として親しまれています。鰆は1mを越えるサバ科の一種。ほっそりとした体形から「狭腹(さわら)」ともいわれます。成長とともに名前が変わる出世魚で、サゴチ、ナギ、サワラと名前が変わります。東海や関東では脂ののった冬場の寒鰆が人気ですが、関西では春鰆が旬とされ、産卵のために沿岸に集まり漁獲された鰆の卵や白子も堪能します。身は淡白ながらほろりとした甘みがあり、どんな調理法でもおいしくいただけます。一方、北国では春告げ魚といえばかつては「鰊(にしん)」でしたが、不漁のため鰊に変わってメバルが春告げ魚と呼ばれるようになってきました。日本中で獲れる近海魚ですが、東北地方近海で早春から旬を迎えるのは「ウスメバル」。たけのこの出る季節に美味しくなるといわれ、3月から5月頃に多く出回ります。煮つけにすると最高においしいですね。地域や時代によっても春告げ魚は異なりますが、春先になるとぴちぴちと元気に集まってくる魚たちに、人は親しみを込めて「春告げ魚」と呼んだのでしょう。

   

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春分の日

 明日3月20日は春分の日で、「自然を称え、将来のために努力する日」と法律で定められた祝日です。春分は、昼と夜が同じ長さになる日です。昔の人は、自然に感謝し春を祝福する日だと感じていたようです。それは長い間冬眠をしていた動物たちが動き始め、人々もやる気に満ち溢れている時期です。また、この日の前後にご先祖様への感謝の気持ちを伝えるためにお墓参りに行く習慣もあります。古来、人々はこの日を春の訪れを祝う日としていました。それと同時に祖先に感謝をするお祭りを行い、この風習は農村部で長く続いてきました。明治時代、春分の中日を「春季皇霊祭」と定め、宮中において祖先を祭る日となったのをきっかけとして、一般市民の間でも祭日とされました。その後1948年に、古来から伝わる自然に感謝する日「自然を称え将来のために努力する日」と法律で定められましたが、現在でも、春分の日というと「お彼岸」のイメージが強く残っています。 天文学的な話をすると、春分の日は、太陽が春分点(天球上の赤道を太陽が南から北へ横切る瞬間の交点)にくるため、昼夜の長さが等しくなる日と言えます。その不思議な現象が古代の人の心を惹いたのではないでしょうか。暦は、天文学的要素と占いなどの要素の両方がバランスよく組み合わさって出来ています。またこの日は、生気に満ちた体に更に活気をつけるためか、各地でマラソン大会など開催されますが、今年は新型コロナウイルス対応のためほとんどが中止となるようです。

 

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彼岸(ひがん)

 春分の日(今年は3月20日)を中日(ちゅうにち)として前後3日間の7日間のことを「彼岸」といいます。そして初日を「彼岸の入り」といい、最終日を「彼岸の明け」と呼んでいます。彼岸とは「河の向こう岸」を意味する仏教用語で、祖先の霊がいる極楽浄土を指します。ここでは煩悩を脱して悟りを開いた涅槃の境地、究極のやすらぎを意味します。彼岸に対してさまざまな煩悩に苦しむ現世、私たちが生きているこちら側の世界を「此岸(しがん)」と言います。春分の日は昼夜の長さが同じで、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。仏教では西のかなたに極楽浄土があるとされ、この日の夕日が道しるべとなり、此岸から彼岸へ渡る「白道(はくどう)」が現れて、この世とあの世がつながり、その道を進めば極楽浄土にたどり着けると考えられていました。そのため、お彼岸は元来西に沈む太陽に礼拝し、自らが悟りの境地に達するための修行をおこなう日でした。その後、お彼岸は先祖の霊を供養することを目的として家族で墓参りに出かけ、一方で自宅の仏壇に供え物をするという習慣に変化したのです。

 

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霞/朧(かすみ/おぼろ)

 最近の晴れた日は、冬の澄み切った空とは異なり、霞(かすみ)あるいは朧(おぼろ)という、暖かくなって空気中に小さな水滴や塵が浮遊し、遠くが淡くぼやけて見える状態が多くみられます。春によく見られる自然現象で、春の季語になっています。秋に見られる同じ現象は「霧」と呼ばれ、こちらは秋の季語。夜の霞は「朧」といい、月に霞がかかった様子を「朧月夜」といいます。同名の童謡もありますね。春がすぐそこにあることを感じます。

 

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すずめ

 春になると鳥の鳴き声も耳に心地よく感じることが増える気がしなすが、今日取り上げるのは日本各地に生息し、昔話や童謡、俳句などにも登場し、私たちの身近にいるすずめ。すずめは収穫期に稲を荒らすことから害鳥とみなされることもありますが、春から夏は稲につく有害な虫を食べてくれます。ちゅんちゅんと鳴きながら落ち着きなく飛び回る姿は愛らしくもあり、暖かな日差しを浴びて無邪気に遊んでいるかのように見えます。すずめは古事記や日本書紀にも登場します。その頃から「雀」と漢字で書き、スズメ、スズミなどと呼ばれていたようです。名前の由来としては、鳴き声から転じて「スズメ」になったとする説と、小さいという意味の「スズ」と、鳥を意味する「メ」がくっついて「スズメ」となったとする説などがあります。漢字の「雀」は「尾の短い小鳥」を表しているそうです。すずめの昔話で有名なのは「舌切りすずめ」ではないでしょうか。おばあさんに舌を切られて追い出されたすずめを、おじいさんが「すずめ、すずめ、お宿はどこだ」と探しに行きます。絵本などに描かれているお宿は竹藪の中ですが、実際にすずめは繁殖期が終わると巣を離れ、群れとなって竹藪や芦原などをねぐらにします。その後の展開はご存知のとおり。また、「すずめとキツツキ」の話も設定やストーリーにいろいろなバリエーションがあるものの定番の昔話です。昔、すずめとキツツキは姉妹で、ある日、離れて暮らす親が重病という知らせを受けました。すずめは地味な普段着のまま大急ぎで駆け付けましたが、キツツキはきれいな着物の用意を優先し、死に目に会えませんでした。それを見た神様が、親孝行のすずめには米を食べることを許し、キツツキにはきれいな姿をしていても木の中の虫しか食べられないようにしたというお話です。これらの昔話には、人としての教えと、すずめに対する温かいまなざしが感じられますね。小林一茶の「すずめの子 そこのけそこのけ お馬が通る」という句にも、一茶の優しさが感じられます。「すずめの子」は春の季語にもなっています。冬のすずめを見ると、まん丸くふくらんでとてもかわいらしい姿をしています。全身の羽根毛に空気を入れてふくらませて、寒さをしのいでいるのです。このふくらんだ姿のすずめを「ふくらすずめ」と呼び、「福良雀」「福来雀」と書いて縁起の良いものとされています。このふくらんだすずめの形を正面にして、羽根を広げた形を図案化したものが、着物や帯の柄に使われてきました。幸福に恵まれることを願って、子どもの着物や成人式、結納などのときの着物に多いようです。また、「ふくらすずめ」という伝統的な帯結びにもなっていて、振り袖などの帯結びとして用いられています。っくらとした丸みのあるお太鼓と左右に広がる羽根がかわいらしく豪華ですね。
「すずめ」が登場する慣用句もいろいろあります。
「竹にすずめ」:取り合わせの良いもののたとえ。
「すずめの涙」:ごくわずかなもののたとえ。
「すずめ百まで踊り忘れず」:人が幼いときに身に着けた習慣は、年をとっても直らない。
「すずめの千声鶴の一声」:つまらないものの千の声より、優れたもののひと言の方が勝っている。
「すずめの糠喜び」:喜んだのに当てがはずれること。すずめが籾を見つけて喜んだけれど、米はなくて糠ばっかりだったのでがっかりしたという意味から。
「鷹の前のすずめ」:身がすくんでどうすることもできないことのたとえ。
小さいものは軽んじられるのか、縁起が良いとされるすずめも「竹にすずめ」以外はあまりうれしくない内容のものが多いですね。
 繁殖期にあたる春から秋に、すずめたちは巣を作って、産卵・子育てを始めます。ツバメのように人の近くに巣を作ることが多いので、すずめの子育てを見る機会もあるかもしれません。時々、巣から落ちたのか落とされたのか、すずめの子が地面に落ちていることがあります。けがをしていることもあるかもしれません。かわいいし、かわいそうだしとつい手を差し伸べたくなりますが、現行法では連れて帰って飼ってはいけないことになっています。野鳥の卵の採取や雛の捕獲は禁止されていますので、すずめの子もその対象です。保護した場合は、都道府県の鳥獣保護担当係へ相談してください。

 

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ホワイトデー

 明日はホワイトデーです。日本でバレンタインデーが定着するに従い、何かお返しをという風潮が高まり、お菓子業界では「お返しの贈り物」としてさまざまな商品のキャンペーンを個々に開くようになりました。そこで販売促進に結びつけ全国飴菓子工業協同組合が「ホワイトデー」として催事化し、1980年にスタートしました。飴の材料である砂糖が白色だったため「白=ホワイト」から「ホワイトデー」と命名されました。また、福岡市にある「石村萬盛堂」が最初にマシュマロデーとしてホワイトデーを発案したという説もあります。石村萬盛堂とは、福岡市民にはおなじみの「銘菓鶴乃子」黄味餡をふんわりマシュマロでくるんだ独特の形を した和菓子で有名な老舗の和菓子屋さんです。マシュマロとは元来、フランスにおいてmarsh(沼地、湿地)に群生するmallow(あおい属の植物)の根からとれる粘りのある汁に卵白や、砂糖を加え味付けし、軽い泡がたつまで撹拌混合して作られた薬用食品に由来しています。マシュマロの歴史は古来エジプトにあり、元々は王族や紙の食べ物として扱われていた貴重なものでした。19世紀前半から半ばにかけてフランスやドイツの菓子職人によって近代のマシュマロができあがりました。他の菓子にはみられないマシュマロの独特な弾力と感触は、その軽い風味と合わせ、今では世界中の多くの人々に愛され親しまれています。もちろん今はマシュマロの樹脂が大量に取れるわけではないので、樹脂に変わってゼラチンや卵白が使われています。特にアメリカにおいては、チョコレートやキャンディーと同じようにたくさん売られていますが、日本と違うのは、焼いて食べるのが多いことです。いづれにしても甘いものが食べられる機会が増えるのはいいですね。

   

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ツクシ(土筆、スギナ)

 ツクシ(スギナ)は シダ植物のトクサ植物門トクサ科トクサ属の植物で、春にツクシ(土筆)と呼ばれる胞子茎(または胞子穂、胞子体)を出し、胞子を放出します。薄茶色で、「袴(はかま)」と呼ばれる茶色で輪状の葉が茎を取り巻いていて、丈は10~15cm程度です。夏には、ツクシとは全く外見の異なる栄養茎を伸ばします。地下茎を伸ばして繁茂し、栄養茎は茎と葉からなり、光合成をおこないます。鮮やかな緑色で丈は10~40cm程度で、主軸の節ごとに関節のある緑色の棒状の葉を輪生させます。上の節ほどその葉が短いのが、全体を見るとスギの樹形に似て見えます。生育には湿気の多い土壌が適していますが、畑地にも生え、難防除雑草です。なお、胞子体(土筆)の穂を放置すると、緑色を帯びたほこりの様なものがたくさん出て来ます。これが胞子です。顕微鏡下で見ると、胞子は球形で、2本の紐(4本に見えるが実際は2本)が1ヵ所から四方に伸びています。この紐は湿気を帯びると瞬時に胞子に巻きつき、乾燥すると広がります。また、「ツクシ」は春の季語でもあります。語源はスギナにくっついて出てくる事から、「付く子」、袴の所でついでいる様に見える事から、「継く子」となった説が有力です。「つくしんぼ、つくしんぼう」(土筆ん坊)とも呼びます。土から出てきた胞子茎は、伸びきる前は先端まで「袴」に覆われており、その形状が「筆」に似ていることから「土筆」という字を当てられるようになったものと考えらています。 「土筆(つくし)」は春の山菜としても親しまれています。袴を取って茹でて灰汁を抜き、だしで軟らかく煮たり、佃煮にしたりして食用とします。

  

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卒業証書授与式

 本日、第72回卒業証書授与式をおこないました。新型コロナウイルス対応のため卒業生と教職員のみでの、例年とは違った形で野卒業証書授与式となりました。9時40分より始まった式では147名の生徒が卒業し、新たな社会へと巣立っていきました。卒業生の前途に輝かしい未来があることを祈念します。

 

  

 

 

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東日本大震災の記憶

 明日は思い出したくはありませんが、思い出さずにはいられない東日本大震災のあった日です。2011年(平成23年)3月11日(金曜日)14時46分18秒に、宮城県牡鹿半島の東南東沖130kmを震源とする東北地方太平洋沖地震が発生しました。地震の規模はモーメントマグニチュード (Mw) 9.0で、発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震です。 この地震により、場所によっては波高10m以上、最大遡上高40mにも上る巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害が発生しました。また、巨大津波以外にも地震の揺れや液状化現象、地盤沈下、ダムの決壊などによって、北海道南岸から東北を経て東京湾を含む関東南部に至る広大な範囲で被害が発生し、各種インフラが寸断されました。一昨年9月10日時点で、震災による死者・行方不明者は18432人、建築物の全壊・半壊は合わせて402704棟が公式に確認されています。震災発生直後のピーク時においては避難者は40万人以上、停電世帯は800万戸以上、断水世帯は180万戸以上等の数値が報告されています。復興庁によると、2018年2月13日時点の避難者等の数は約73000人となっており、避難が長期化していることが特徴的です。日本政府は震災による直接的な被害額を16兆円から25兆円と試算しており、この額は被害が大きかった岩手・宮城・福島の3県の県内総生産の合計に匹敵します。世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額としては史上1位としています。 高校生の皆さんは、この時小学生だったと思いますが、身の回りはいかがだったでしょう? 地震後、さまざまな問題・課題が起こり、現在も解決できないものも多々あります。1月17日の「阪神淡路大震災の記憶」の時にも記しましたが、災害は起こってほしくありませんが、いつ何が起こるのかわからないのも事実です。さまざまな場面に対応できるよう、ふだんから準備、対応の検討はしておきましょう!

 

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入学許可候補者、発表!

 入学許可候補者となったみなさん、おめでとうございます! 本日、令和2年度入試の入学許可候補者発表をおこないました。朝から晴れ、暖かな日差しが差し込む中、受検番号を確認して歓声をあげる方もいました。この喜びを4月以降の高校生活に反映してもらえればと思いました。

 

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春雷(しゅんらい )

 春雷とは春によく見られる雷で、春の季語です。特に立春を過ぎてから初めて鳴る雷を「初雷(はつらい)」と呼びます。また、二十四節気の啓蟄(新暦3月6日頃)の頃によく鳴ることから、春を知らせ、虫たちを目覚めさせると考えられ、「虫出しの雷」とも呼ばれました。時折、雹(ひょう)を降らせることもありますが、積乱雲による夏の雷のような激しさはありません。

 

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啓蟄(けいちつ)

 今日3月6日は啓蟄(けいちつ)です。啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃を指します。菰(こも)はずしを啓蟄の恒例行事にしているところが多いですね。まだまだ寒い時節ではありますが、一雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってきます。春雷がひときわ大きくなりやすい時季でもあります。八百屋さんの店先に山菜が並び始めます。旬の食材で春の訪れを味わいましょう。実際に、動物や虫(種類によって違いますが)が冬眠から目覚めるのは、最低気温が5度を下回らなくなってから、平均気温が10度以上になってからだそうです。

 

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花粉症

 寒さも和らぎ、日々暖かさを増す3月。身も心もリフレッシュさせ思いっきり外で活動してみたい季節の到来です。しかし、やっかいなのが花粉の飛散です。2月4日は北陸地方で春一番の発表があり、最高気温が3月並みから4月並みのところが多くなりました。このため、2月4日は中国、四国や東海の一部で飛散開始が確認され、11日には東京都でも飛散開始が確認され、花粉シーズンがスタートしています。そのほかの地点でも飛散開始の定義にはあてはまっていませんが、わずかな飛散が確認されているところがあります。花粉症は昭和35年頃まで国内では見つかっていませんでした。ところが今や、スギ花粉症は日本人の約13%がそうだと言われています。花粉症と診断される人が年々増えていく理由は、「太平洋戦争で失われた森林資源の回復に各地でスギが植林され、それらが樹齢30年以上になり、大量の花粉をまき散らすようになったから」、「高度経済成長を経て、欧米型の生活様式が定着し食生活が肉食中心となりタンパク質の摂取が多くなることで異物への反応が過敏になる、様々なアレルギーを起こしやすい体質に変わってきた」、「ストレスの増加が自律神経のバランスを崩し、これがアレルギーを発症させやすくしている」など様々な説がありますが、これだと言った決定的な原因はまだわかっていません。花粉症は発作的にくしゃみや鼻水、鼻づまりが反復して起こることを特徴とするアレルギーの一種です。花粉症の原因となる植物には、ハンノキ、スギ、ヒノキ、シラカンバ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどがあります。中でもスギによる花粉症が一番多いと言われています。花粉症の症状を悪化させる要因としては、環境面では空気の乾燥や外気温の変化、刺激物質(タバコ)が挙げられます。また内的要因としてストレスやホルモンの変化、飲酒や過労も花粉症の症状を悪化させる要因です。少しでも花粉症の症状を和らげたい。そのためには上記の要因を排除し、食生活も改善してみましょう。

 

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ひな祭り

 今日は「桃の節供」でした。本来は「上巳の節供」といいますが、ひな人形を飾り、女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」として親しまれています。 ひな祭りは、川や海で身を浄め、桃で厄を払う風習に由来しています。古代中国では、3月の最初の巳(み)の日は忌日とされ、不浄・邪気・けがれなどの恐ろしいものが襲ってくるといわれた日でした。家の中にいると人の災難が降りかかってくるというので、人々は老若男女にかかわらず家を出て水辺へ行き、みそぎをしました。このとき、人形(ひとがた)を作って、それで体をさすり、身のけがれを移して供物と一緒に水に流して厄払いをしたものです。この人形(ひとがた)が、次第に手の込んだ立派な人形になって行きました。これがいわゆる「流しびな」の始まりです。また、平安時代には、上流階級の子女が美しい人形で遊ぶ「ひいな遊び」という、ままごとに近い遊びがあり、この両方が結びついて、現在のひな祭りになっていったとされています。ひな祭りの味といえば、「菱餅」や「ひなあられ」、「白酒」などがあります。ひな壇に飾るとおひな様も喜んでいるように見えますね。また、「蛤の潮汁」や「ちらし寿司」も、お祝いのごちそうとしておいしいだけでなく縁起よく、見た目も春らしくて華やかです。かわいく飾って、おいしく食べてひな祭りを楽しみましょう。

 

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